002. 磯田 基徳 siki 代表

 

 

 

おれたちの世代って昭和と平成の最後の世代で
丁度間の世代と呼ばれているけど、、
昭和って聞くと厳しいとかスパルタ的なイメージがって、
今の平成の美容師さんとか多様性だとか、
ゆとり世代とかの教育って確実に変わってきていると思うんだよね。
何か感じる?ファッション業界も違うの?
 

【僕らの下の子達のブランドとかいい意味でルールがないから
そういうのってすごくかっこよく見えてて。
逆にプライベートで言うと上の方達で
かっこいいなと思う人達と遊んでいるけど、
その人達に共通して言えることは一回り下の自分達の世代や
さらに下の世代の人に対しても
素直にかっこいいと言える大人の人たちが多いかな。】

 

たしかにね。自分も美容業界だと、うっちーさん(LECOオーナー)とか特に
俺たちの世代からも吸収しようとしてくれているというか。
 

【それはもうファッションや美容関係なく
そういう大人の人がかっこいんだろうなぁ。】

 

やっぱ柔軟に物事を捉えることができる人がかっこいいよね。
 

【そういった意味では自分もそういう大人になりたいし、
ファッション業界とかに関係なく若い人達から
影響を受けるような大人でありたいなと。
:CASEも含めてそういうブランドになりたいなと思っているかな。】

 

 

 

そういえば:CASEの商品はいつデリバリーなの?
 

【:CASEの商品自体は2月12日に発売予定!】
 

もうすぐじゃん!
結構早いね!
 

【今のなんか嘘っぽいリアクションじゃん!?
PRさせてくれるように煽ってくれたの?笑】

 

本当に?今のナチュラルだったよ!
でもさ、やっぱ受注した時が一番欲しい欲がつよいじゃん?
だからもう早く欲しいよね。。
 

【そうなんだよ。。今待たせてしまっている感があるんだけど。。】
 

楽しみにしているんじゃないかな?
でも美容もファッションも含めて
これからもっとオフラインでイベントとかしたいね。
実際におれもオンラインで服買うことが多いけど、
やっぱ店舗で買うとめちゃくちゃ気分いいね。
通販で買うよりも、店員さんにこだわりとか
ディテールの話聞いて買うと全然気分が違う。
 

【うん、やっぱ違うよ。紙袋をひとつとってもね。
それ手に持って歩いて電車乗るだけで
『明日これに何を合わせよう』とか
考えるのがお店で買ういいところだったりもするし。】

 

やっぱオフラインもいいよね。オンラインもいいけど。
 
 

 

【おれもここ2年で色んなところへ出張に行ったけど、
各都市の人たちが起こすイベントやムーブメントが
すごい楽しいっていうことを感じて。
そこに楽しんでもらえるお客様がいるのであれば
足を動かしてイベントを起こせるようにしたい。】

 

結局そうなんだよね。
俺もお店をやっているから守らないといけないものがすごく多いから
オンラインでも試行錯誤するけど、結局なにがしたいかって
本当は人と話して楽しくゲラゲラ笑って好きなことをやって
それを評価してくれるお客さんが居てくれたらそれで充分だもんね。
 

【本当そうだよ。
自分のブランドの服を何万人とか世界中の人に届けたいとかじゃなくて、
指で数えれるくらいの友人や好きな人が、
自分のつくった服を、『いいね!』『使いやすいね!』
って言ってくれるだけで嬉しいって思う。
それが、ほんのちょっとだけ世に広まってくれれば良いかな笑】

 

最近SNSもそうだしさ、
特に美容業界はこの1年でめちゃくちゃ変わったのよ。
戦力図も変わってるだろうし、攻め方もすごい変わった。
そうなってくると新しいディレクションをしなきゃとか考えるし、
ふとした時に自分の幸せなんだろうなとか
自分が美容師始めたきっかけなんだろうなとか
立ち止まって考えると答えはそこに行きついて。
多くの人に響かせたいってこともあるけど、
結局目の前にいる人が喜んでくれたりとか、
一緒にいるスタッフが笑ってくれてたりと、
本当それだけで充分だって思う。
だから攻めることは攻めるけど
そういった本質的な部分を忘れちゃいけないなって思う。
あれ。すごい真面目になっちゃった??笑

 

 

 

 

【話は変わるけど、美容師としてどうあるべきかって自分の中である?】
 

女性美容師がアイコンになることは今でもあるけど、
男性美容師のファッションだったりとかその人の生き方だったりとかが
かっこよくてその人のところに髪を切りに行くって
当時に比べたら少ないと思うんだけど、
この前、竜(sikiスタイリスト)が馬場さん(ICYスタイリスト)を
ムービーで撮影していた時に、
やっぱ美容師はカッコよくあるべきだ。
っていう裏メッセージが込められたモノがあって。
 

【観たよ!多分、竜くんの「美容師はカッコいい」
って基本の気持ちを再現したというか。
ずっと思っていたからこそあぁいうムービーにしたんだろうけど、
すごいカッコよかった。】

 

あの時の気持ち、良いよね。
髪型を作ってもらうってことだけじゃなくてさ、
それ以上に得ることや出来るモノがあって、
それがめちゃくちゃ大きかったよね。
こういう風になりたいな。とか、
こういう生き方っていいなとか、夢を見せてもらえるよね。
そういう時代だったよね。
 
 


『City. channel』 by Ryu Ito (siki)

 

 

【でも多分、今の人達もそれ思っていると思うよ。
例えば、イソはそれが恥ずかしいからあまり見せないだけで、
イソをフォローしているお客さんや美容師さんだって、
『どんな生活しているんだろう』『どんなファッションしているんだろう』とか、
美容関係のことも含めてそこ以外も見たいって思っているはず。】

 

確かに、そういうパーソナルな部分はできる限り頑張ってやってるかな。
でもこのclubhouseもそうだけど、
今ってそう言う場で話ししてる姿って誤魔化しつかないじゃん?
写真だとある程度良く見せれるんだけどさ、話したらボロがでるというか。
そう言った意味で俺はボロが出るんじゃないかなって、今怯えてます。。
 

【いや、ボロでるところがほっこりしてていいんだよ。
ボロださないと人間味ないよ。笑】

 

でもさこうやって同い年の人だったら話ができるけど、
おれらの世代はいい意味で先輩をリスペクトしすぎてて
先輩に意見が言えなかったから、
自分の意見を持つのが遅かったと思うんだよね。
俺も1年目のスタッフと距離が近いんだけど、
でも今の子達ってちゃんと意見を言ってきたりする。
おれらのときはそれがありえなかったけど、
下の子達の自己発信力とか自分を持ち始めるのが
いい意味でもはやくなったからいいいよね。
 
 

 

【自分の名前を決めて発信するっていうことが
自分達が20歳くらいの頃はあんまりなかったじゃん
今はそれが数字に出るわけで、
若い人にとってそれが自信に繋がるんだと思う。
例えば部下が提案したインスタグラムの
投稿のいいねや保存数が多ければ、
上司がその投稿に指摘しても、
この結果みてくださいよって言えてしまうし。】

 

それが怖いよね。
 

【でもいいことでもあるよね。
若い子達が早く正解を出せるし、学べるし。
磯田のいいところは、そういう人達を作ろうと
自分のお店の若い子達をフックアップしてて。
まだ32歳なのにもう既に下の子達のことを
考えてて結構すごいなと思う。】

 

美容業界ってちょっと異質で、
流れが早くて1年前と今で全然在り方が違って。
昔はお店の名前が強かったけど、
今って個人からお店を知るって言うことが増えているんだよね。
 

【確かに、個人名知ってるけどお店の名前知らないってことが多いね。】
 

でもやっぱり自分としては「siki」とか「type」とか
お店の名前をちゃんと強くしてあげることが大事かなと。
スターばっかりは集められないし。
野球でも1番が塁に出て、2番が送るみたいな。
バントの川相みたいな。バントの川相わかる?笑
 

【わかるよ。笑】
 

本当は役割として送る人がいて、ホームラン打つ人がいて、
チームが成り立つと思うんだけど、
美容師としての目標ってなるとやっぱ売上をとることが先行してしまう。
けど、そうやってお店を支えてくれる人達も生かせるような
プラットフォームを作らないとなって考えると、
自分とか竜が新しい道を切り開いていくのも大事。
ホームランバッターを目指して入ってくる子が殆どだけど、
向いてない人もいて。
けど実はバントの川相になれる人かもしれないし。
だから最近大事にしているのは、チームで動くことも大事だし、
個々で何が好きなのか、
何がやりたいのかを聞いて自分を見つけれるっていうところから
「じゃぁ君はバントの川相になりなさい!」
ってそれぞれのスタッフと一緒に道を作って
いけるようになれればなと思ってる。
 
 

 

【sikiっていうサロンを立ち上げて、
プレイヤー兼監督になったことだよね。】

 

そうそう、大変なんだけど美容師はプレイングマネージャーがすごく多くて
プレイヤーとしてチャレンジしなきゃいけないこともあるし、
監督として皆をプロデュースしていかないといけないし。
経営となるとまた別で大変で色々求められるけど結局は楽しいよ。
 

【イソがその監督としていいなって思う部分があって。
マリちゃん(sikiスタッフ)がヘアアクセを販売していると思うんだけど、
もちろん彼女にも美容師としての技術がある上で
そういうことができているのがすごいなと。
 

さっきの野球の話でいうと、バントでもなくホームランでも代走でもなく、
野球じゃない全く別なところで得意なことがある人がいたら面白いよね。
極端に言うとカット・カラー・パーマみたいな技術が成立しなくても、
全然違うモノで活躍してくれる人が美容室の中に現れ始めたら強いし、
かっこいいなって思う。】

 

そうだと思う。
今までの美容業界だと皆売上をとっていく事が求められていたけど、
竜は新しいことを写真やムービーでトライしている。
例えばさっきの話みたいにヘアアクセを作りたい。
みたいに脱線していくことになると、
勝手なことするなとか、そっちで稼ごうとしてない?
って今まではなっていたと思う。
でもそこを認めてあげることでそのヘアアクセから
sikiを知ってくれる人も増えるわけだし。
 

【そこを声を大にしてやっていこうよ、
って言ってることが凄いよくて。】

 

でももちろん美容師としての仕事も100%やってくれているし、
うちのお店も週休2日とってるけどその2日の間で
クリエイティブな時間ってだいぶ作れると思うんだよね。
マリちゃんなんかはECで販売していて、
そういった新しい可能性を広げることによって
お互いにメリットが生まれると言うか。結局ウィンウィンが一番いい。
可能性をつぶしてしまうことによって、
お互いに不満が生まれてしまうから。
もちろんなんでもかんでもOKではないけど、
新しい可能性を見つけるっていうのは全然賛成だし、
むしろ俺と竜が好きなことやってるからね。笑
 
 

 

 

【でもその姿をみてるからじゃぁ自分も。
ってsikiのスタッフは思っているだろうし、
逆にそれが焦りになって自分には何があるだろうって
考えちゃう人もいるかもしれないけど、
そのおかげですごくいい時間が生まれると思う。
 

美容師さんが美容だけで終わらないっていうところは
兄貴を見ていて思うかな。
兄貴はどっちかというとプレイヤーじゃなくて
日本人が海外で開業するっていうシステムを作って
それをいろんな人に広げようとしてるから、
それもただ美容師ってメインの仕事だけじゃなくて、
美容師をやっていることで思ったことを仕事にしようとしていて。
そういうふうに美容師だけの人生で終わらない考え方がかっこいいなって。】

 

もちろん美容だけが取り柄で他に自分に何があるかなって
探しても見つからない人もいると思う。
けどそれはそれでよくて、副業をしないといけないわけじゃない。
それをメインの仕事にしている人だっているわけだし、
そこでファンをつけるっていうのはすごい難しいことだから。
個人的には美容師としての技術が長けている人も理解してあげたいし、
うちの店長の裕磨みたいに
めちゃくちゃ人から愛される人も活かしてあげたいんだよね。
 

【彼はめちゃくちゃ笑顔がいいもん。。笑】
 

いいよね。笑
そういう人も活かしてあげたいと思う。
そうなってくるとどうすればいいのかとか、
何を作ればいいのかとかが見えてくるから、
だから色々仕掛けていけるのかな。
 
【なるほどね。】

 

 

 
竜とは性格が正反対ですねって言われるけど、
そういう面ではスタンスが一緒だから共存できる。
 

【わかる、二人で先頭に立つなら真逆の方がいいと思う。
俺も安部ちゃん(I am代表)と真逆だから。
安部ちゃんとは趣味も全然違うし、背格好も全然違うし。笑】

 

それはそれで絵になるよね。笑
 

 

 

 

【コロナを通して思った事とかあった?】
 

不要不急の外出は控えてくださいってあったけど、
あれもどこからどこまでが不要不急なのかって曖昧じゃん。
その影響で皆必要なものと不要なものの区別が行われていると思うんだけど、
そのなかで美容室やファッションで嗜好品になりうるものだから、
言ったら髪の毛も3ヶ月や半年きらなくても生きていけるし。
洋服も今ある服だけでも生きていけると思うんだけど、
でも髪の毛を切ることで前向きになったりとか気持ちが明るくなることで、
他のライフスタイルにも影響を及ぼしたり。
洋服もそういったところでは似ていると思うんだよね。
 

【本当にそうだと思う。】
 

LECOの内田さんも言ってたけど、
緊急事態宣言の時って美容室って自粛要請に当てはまってなくて。
営業することが悪だって思われる時もあって怖かったけど、
でも内田さんが「髪型を変えると気分が上がる」って言ってて。
美容室へ行こうとは言ってないけど別の言い方で発信してて、
それを見てめちゃくちゃ共感したんだよね。
それがあるだけで前向きになったりとか、人生が豊かになるとか、
そういう存在で居れるっていうのは嬉しいね。
 

【そういうものがエンターテイメントだよね。
映画とかの娯楽だけじゃなくて、
美容とかファッションみたいな自分達の身近なモノにもっとあって。
1枚500円のTシャツでも生きていけるけど、
自分が頑張って働いて高くても買ってみて気分上がるな〜とか、
ここのシルエットが良いんだよな〜って、「ニヤニヤ」できる。
いかに「ニヤニヤ」できるか。一人で。】

 

「ニヤニヤ」いいね。笑
 

【髪切った日も人に会わなくても一人で家に帰った時に
ちょっと鏡見た時にニヤニヤしちゃうじゃん。】

 

「ニヤニヤ」させたいね。笑
 

【「ニヤニヤ」した回数が多ければ多いほど、
人生は良いモノになるんだって信じてる笑】

 

結局ね、幸せになるってところが一番大事じゃん。
人と比べてみたとき、勝っても幸せじゃない人っているじゃん。
無理して頑張りすぎたとか、失ったモノが多すぎたとか、
頑張るときはあるかもしれないけどやっぱ「ニヤニヤ」したいのよ。
 

【貯金額が多いとか、家族がどうとか、
イケてる恋人がいるとかも大事かもしれないけど、
一人で誰にも言わず、誰にも共感してもらえなくても、
一人でコソッと「ニヤニヤ」できた回数が多い人が幸せだと思ってる。】

 

それが生きる上での本質なのかもね。
あれ、今日なんか深いね。。哲学!?笑

 

 

【ちょっとねお酒飲みながらしゃべりたいな。笑】
 

美容師さんってこういう熱い話しょっちゅうしているよ。笑
 

【怖いな、、疲れるでしょ?笑
みなさんもっと「ニヤニヤ」してくださいよ。笑】

 

そうですね。笑
熱くなって燃え尽きる前に「ニヤニヤ」するってことが大事ですね。笑
でもファッション業界の人は遊びとリンクしてるよね。
 

【そうそう。そこが一番だと思ってる。】
 

遊び感覚っていうより、遊びから生まれるヒントもあるわけじゃん。
 

【楽しいとか自分が好きっていうことをそのまま仕事に繋げれる
唯一の職業だと思ってる。
例えばアニメや漫画が好きだったら、
もしかしたらその好きなアニメや漫画とコラボできるかもしれないし。
そういうのを楽しんでいる人こそアイディアも出てくるだろうし。

こういのが好きで、こういうのかっこよくないですか?
って伝える方が話が広がっていくから、
熱い話っていうよりも遊びの会話の中で決まってくことの方が多いなあ。】

 

でも自分もお店持ってたりすると、
個人としてもどうなりたいんですか?とか
何を目指していますか?ってすごく聞かれるんだよね。
でも俺と竜もこうしたい。こうなりたい。ってあるんだけど、
それよりも今これが好きだし、今これが楽しそうだし、
これやったらスタッフが喜んでくれるし、
とかそういったことにベクトルを置いてるから
本当にそういったことがないんだよね。
すごく聞かれるから思い込んでた時もあったけど、
コロナがあってどうなるかわからなくなった時に
どうなりたいかより自分達が何したいか
っていうことにベクトルを置くようになったかな。
だから今はいい意味で考えなくなって、
自分達がワクワクする方に動くっていうのを意識しているかな。
 

【絶対そっちの方がいいね。
そのワクワクを届けるツールがclubhouseだったりinstagramだったりで。
それで人を巻き込めればいいだけで、
自分の身の回りの人を楽しませれないと、
結局他の人を巻き込めないから。
だからイソの動きはすごくいいと思う。】

 

 

 

あれだね。「ワクワク」「クスクス」「ドキドキ」だね。
 

【「ニヤニヤ」は?笑】
 

あっ。笑
「クスクス」じゃないね。笑

 

 

 


instagram : @isodango

 

 

今回はclubhouseを使った公開インタビュー、、、
というより対談でした。

美容師とファッション。同じ世代だからこそ考える距離感。
これからもっとお互いの業界が近づいていって
面白いムーブメントを起こしていきたいです。

今後磯田くんとは、:CASEとコラボして商品を発表する予定です。
そちらもお楽しみに。

 

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